二度の家出事件★第2弾
避妊手術直後!今度は土地勘のない横浜で
私たちが横浜に移ったのが一昨年の7月です。
るりが10ヶ月のときです。
避妊手術は厳しいだろうと言われている(更に誰もやりたがらない)中、なんとか無事終えました。
お腹を開けてみると薄まった謎の血が出続けていたので目ぼしいところを確認したものの原因不明でそのまま閉じたそうですが、大丈夫です。元気です。
ある日の夕食後、洗い物をしていると夫がソファーに横になりながら窓を開けているのを見ました。
食後だったので私も夫も酔っていますが、当然網戸側だろうと。
そして3時間後、寝ようとして気がつきます。
るりがいない。
そして窓が空いている。
血の気が引きました。
とりあえずマンションの5階だったので下に降りましたが、やみくもに探しても仕方ない。
最初にるりが家出したときにいろいろ調べていたので、時間が経てば経つほど厳しくなること、そして必ず近くにいることは知っていました。
まずはるりが出た窓に戻ってベランダに立ちます。
るりならどう移動するか?
向かいのマンションに移る?地面に落ちる?いや隣のベランダだろう。
そしてベランダから隣のベランダに移りました。
そして更に隣のベランダへ。
深夜におばさんがパジャマで忍者みたいなことをしていてよく捕まらなかったなと思います。
ちなみに窓を開けたご本人の夫は途方に暮れてベランダで不機嫌になっているだけだったので、すべて私一人で捜索しました。
マンションが坂に建っているという構造上、隣のベランダへ移るとたび、少しずつ階が下に降ります。
あるところでうちのマンションと隣のマンションの間に、どちらの敷地かは不明ですが幅1メートルぐらいの放置されまくったコンクリの崖にぶち当たります。
高さは1階分ぐらいでしょうか。
中間あたりに太いサビサビの釘がささっています。
飛び降りるにはちょっと怖い。
懐中電灯で下を照らすと、放置されたコンクリに雑草が生えた感じ。
降りようかどうしようか?迷って釘に足をかけると、一撃で折れました。
びびっていったんうちのベランダに撤収。
この時点で、もう無理だろうと9割ぐらい諦めていました。
ならば少しでも自分の気持ちを楽にするために崖を降りて骨折して、やれるだけやりきりました!と言えるようにしなければ私はこの先生きられない。
覚悟してもう一度ベランダを渡り歩き崖へ。
意を決して飛びおりましたが、足の裏が痛いことと多少擦りむいたぐらいでした。
地面をひたすら探してもるりはいない。
そりゃそうか…とすごすご戻るために振り返ると、なんと崖の絶壁にわずかな窪みがあり、そこに毛みたいなのが見える!
引きずり出してみるとるりでした。
間違いなくるりでした。
るりを抱え崖を這い上がり、連れて帰って手足をふいて、一緒に寝ようとするも今度はベッドの引き出しに入るるり。
いろいろ怖くてびっくりしたんでしょう。
私も興奮して眠れませんでした。
何度でも会いに行くよ。