君に腎臓をあげたい。

生まれつき腎臓が悪く、1歳で余命数日宣告を受けるも奇跡の復活!2歳7か月で天使になりました。

1歳でいきなり余命数日宣告を食らう

このままだとあと数日!手術に賭けるか!?いきなり決断を迫られる

2018年2月、ちょうど1年前のことです。

元気にしていたはずが、なんか食欲ないなと思って病院に行くとBUN140オーバーで、体重は1.6キロで、静脈点滴のためその場で入院が決まった。

ちなみに入院中、うんちしないんですよーと看護師さんに言われ心配していると、面会時に私の膝の上で、よりによって白いスカートの上でたっぷりしてくれた。

数日間入院し、途中からは私のわがままで朝晩送り迎えをして日中だけの点滴になった。

どうやら尿管に詰まりがあるかもとのことで、東大病院へ。

そういえば水を飲む量とおしっこの量が減っていた。

多飲多尿は腎不全の症状だから、それがなくなったのはてっきり良い兆候かと思っていた。

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手に点滴の針がつけっぱなし

2度目の東大病院。夫は仕事だったので私ひとりで連れていきました。

検査の結果、もともとほとんど機能していない腎臓が尿管結石のせいで更にやられてしまっていた。

尿管が詰まっているのでおしっこも少ししか出ない。

薬で詰まりがとれる可能性は低く、手術しか方法はなかった。

手術自体は単純で、尿管のつまっている部分を切り取りつなぎ合わせるというもの。

健康な子なら難しい手術ではないらしい。

ところがるりの場合手術に耐えられる体力がない。

手術ができるような数値ではなかった。

もしやるならば一刻も早くとのことで、その場で入院させ静脈点滴で少しでも数値を良くして明日手術を行うと言われた。

費用は約70万円。

ただし手術をしたとしても、普通の健康な猫のように暮らせるまで回復するかはわからないとのこと。

術後入院中に亡くなってしまうかもしれないし、退院できたとしても元気のないぐったりとした猫になるかもしれない、透析が必要な体になるかもしれない、元気に暮らせたとしてもそれがどのぐらい続くかもわからない。

今までで2番目に難しい症例ですと言われた。

先生もやってみないとはっきりしたことは言えないそうだ。

そしてもしも手術をしなければ、あと数日から1週間と言われた。

急すぎて意味がわからず涙も出なかった。

その時点では、ならば手術に賭けたいという気持ちという気持ちのほうがどちらかというと強かった。

「先生の子なら手術しますか?」と聞くと、

「僕は外科医として手術を勧める立場にありますし、そう聞かれるとだいたいやりますと答えています。でも今回もしも自分の子で、自分が執刀するとしたらやらないと思います。」と言われた。

こんな大事な決断を今この場で、しかも私一人で決められるわけもなく、とりあえず明日手術できるようにるりは預け、夕方まで考えさせてもらうことにした。

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いきなりそんなこと言われても困る

たった数時間しか考える時間はなく、答えのないことに決断を下さなければならなかった。

夫には先生の話をメールしたが当然夫も決められるわけなく、私は母に電話したりしたが、結局は家族で決めることだ。

このまま数日でるりを失うなら、手術に賭けたかった。

でもそれを正解と言い切る自信はとてもなく、結局決められない。

最後に決断したのは、もし私なら?で決めた。

病院になんていたくない。

わずかな時間を、好きな人と好きな服を着ておいしいものを食べて、楽しいことをして死にたかった。

ようやく決心をつけ病院にるりを迎えに行った。

私は涙と鼻水だらけの顔で聞いた。

「死ぬとき苦しみますか?」

腎不全で亡くなる場合苦しむこともあり、場合によっては安楽死を考えることもあるかもしれないと言われた。

安楽死という言葉がよりるりの死が近いことに現実味を持たせた。

でも、先生と看護師さんがとても優しくて救われた。

こんな話をしている最中るりは優雅に毛づくろいを始め、看護師さんにスリスリしていた。

もう数日ならおいしいもの食べさせようとお刺身を買って帰宅した。

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ところがこの状態。何も食べなかった。

私はひとりで床に転がって泣き叫んだ。

そのうち目が腫れて半分ぐらいしか空かなくなって、鼻水で口呼吸しかできなくなったが、泣きながらるりのカリカリごはんを食べていた。

るりはそんな私をドン引き顔で見ていた。

今思うと普通に引きますね。

 

なんでるりなの?

るりばっかり

今までたくさん苦しんだのに

なんでたった1歳で

何のために生まれてきたの?

 

私の腎臓をあげたかった。

倫理的にいろいろ問題視されている腎移植でもやりたかった。

るりが助かるなら何でもよかった。

なす術もなく葬儀場を探し、大量におもちゃを買って、残りの数日をるりのためだけに生きた。

ところがなぜか数日後にはごはんをもりもり食べてキャットタワーに登っていたのです。

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覚悟して撮った家族写真

すぐに病院に電話、再検査するも尿管の詰まりも数値も変わらず。

「不思議な猫ちゃんですね」と先生は仰った。

もともと悪いため慣れたのだろうと。

ここから毎日の皮下点滴が始まったのでした。

末期腎不全の子が、悪い数値を維持しながら元気に生きていきます。