るりと家族になった日
家のまえに居座り続ける小汚い系のら子猫
るりと初めて出会ったのは、11月のある日の散歩中。
当時私たちが住んでいた宝島というのは、鹿児島県の離島で位置的には奄美大島に近い全周15キロぐらいの小さな島。
病院もないスーパーもないで、散歩ぐらいしかすることがなかった。
誰かがごはんをあげているのら猫はたくさんいたが、みんな6月に生まれていた。
そんな中うずくまっている子猫を発見。
少し撫でて、「こんな時期に?」「冬越せないだろうね」と夫と話していた。
それからというもの、毎日家の前に座るようになってしまった。
家族にする気はなかったが、ごはんとお水は置いた。
我が家にはくろがいて、猫をもう一匹飼うほどのお金はなかったから。
時期外れの子猫だったこと、小さい島だったことから簡単にお母さんを特定できたので、毎日居座る猫を戻した。
しかし戻して数時間後には家の前に座っていた。
意を決して彼女を自宅にあったてきとうな袋に入れ、海へ。
家に帰ってお風呂に入れて、一緒に寝た。
名前はつけず、里親を探すことにした。
ところが案の定難航。残念ながらうちの子になった。
仔犬とか仔猫とか、動物の赤ちゃんって無条件にかわいいはずか今思うとあんまりかわいくなかった。
ふっくらむくむくしてくれて、今のほうがずっとかわいい。
何より、うちを選んでくれてありがとう。
この後とんでもない医療費がかかるとは、想像もしていないのでした。